先月、NHKの『ためしてガッテン』で、世界一患者数が多いと言われる感染症の話をとりあげていました。ご覧になった方も沢山いらっしゃると思います。
これが大変なのです。“手のひら位の面積”の傷口があって、そこから体中に菌が入り込んできているというのです。
今月はこの話題をお届けします。
参考資料:2011年6月22日放送 ためしてガッテン
★世界で最も患者数が多い、日本では成人の約8割
日本で推定9000万人の人がかかっている感染症。
しかも症状が悪化すると失明や手足の切断、さらに突然死の引き金になるかもしれない・・・
どうもこの感染症にかかると、『血管の中で血液の一部が固まってしまう』ことにつながるらしいのです。
★その正体は?
その正体は“歯周病”。歯周病にかかっている人はお口の中に手のひらと同じくらいの面積の傷口があるといいます。そこから歯周病菌が体内にどんどん入っているのです。
タワーサイド歯科室でも歯周病菌の一部を顕微鏡で見て頂くことが出来ます。
お薬を使って除菌をされた方は、顕微鏡の画像をご覧になりましたね。
★血管の中で血が固まる
研究者によれば、歯周病菌の中で特にジンジバリスという歯周病菌は、心臓や大動脈、静脈などで棲息し、血栓の原因になっている可能性があるそうです。血栓とは血管の中で固まった血の塊のこと。もちろん血栓ができることは、ときに生死にかかわる大問題なのです。
ジンジバリスは血液に含まれる血小板の中に入って血管の中を移動していました。しかもその菌が出す毒は、血小板や赤血球を集めて塊にしてしまう事が実験でわかったのです。
手足の動脈が詰まり、ひどくなると手足の切断の可能性もある「バージャー病」という病気があります。
このバージャー病の原因のひとつとして疑われているのもこのジンジバリスという歯周病菌です。
バージャー病の多くの患者さんから血管内にジンジバリスの痕跡が発見されているのです。
つまり血管内で血が固まるということは、できた血栓の場所によって色々な症状となって現れます。
例えば、心臓の近くで動脈が詰まれば心筋梗塞、そして脳の近くで動脈が詰まれば脳梗塞、手足の動脈で起こればバージャー病、となる可能性がある、ということです。
心筋梗塞や脳梗塞はもちろん突然死の引き金になる事も考えられ、バージャー病は前述の通り手足の切断の危険性があります。
★さらに・・糖尿病を悪くする!
歯周病菌は糖尿病を悪くする原因にもなっているのです。インスリンの働きを阻害してしまうのです。糖尿病が悪くなると失明したり、足の切断の危険性があったり、日常生活への影響は重大。
今回の番組は歯周病予防が、健康のためにこんなに大切だということを再認識して頂くのに、大変役立つ内容でした。
これからもご健康のために、歯科医院でのメンテナンスを受けてくださいませ。