今月は【歯周ポケット】の説明をしましょう。
★歯周ポケットとは?
歯周ポケットとは、歯と歯茎のあいだの溝のことです。健康な状態では1〜2ミリ、歯肉炎の場
合は3〜5ミリ、重度の歯周病の場合は6ミリ以上の溝があります。
歯周ポケットの深さは、プローブという専用の器具で測定します。
歯根の長さは10数ミリですので、6ミリ以上の溝というのは、かなり不安定な状態ということが想像できますね。
★どうして歯周ポケットは深くなるの?
歯磨きがきちんとできていないと、歯周ポケットの周りにプラーク(細菌と汚れの塊)が溜まり、次第に歯周ポケットの中に入ってしまいます。歯周病菌が内部で炎症を起こすと、歯と歯茎の間が次第に剥がれ、周囲の歯肉も腫れるので、溝が深くなっていくのです。
★歯周ポケットの問題点
・歯周ポケットに汚れがたまる
歯周ポケットは、うまく歯磨きができないところにできやすいのですが、
ポケットが深くなることでますます歯ブラシが届かなくなり、汚れがどんどんたまりやすくなります。
・歯茎の腫れを引き起こす
汚れが歯周ポケットにたまると、歯周病菌の働きで炎症が起きます。炎症が起きると歯茎が腫れて、傷んだトマトのようにプヨプヨになり、出血しやすくなります。
・歯がしみやすくなる
歯と歯茎の溝が深くなり、敏感な根元の部分に冷水などがふれるとしみてしまいます。
・口臭が強くなる
ポケットの中に汚れや細菌が溜まっているため、口臭が強くなります。
・歯がぐらついてくる
やがて、歯周病菌の毒素等で歯を支えている歯槽骨が溶けていきます。最終的には歯がぐらついて抜けてしまいます。
★予防法は?
歯周ポケットの深さは自分ではわかりません。また、4ミリ以上の歯周ポケットの汚れや歯石は歯磨きでは落とせないので、歯科医院での専門の処置が必要です。
歯茎が腫れぼったくなったり、歯磨きの際に血が出る方は、すぐに受診してくださいね。
歯周病や虫歯の一番の予防法は丁寧な歯磨きです。歯周ポケットをつくる原因となる、細菌や汚れを歯の表面につけないように、日ごろから歯と歯肉の境目を中心に、丁寧に歯を磨きましょう。