★なぜ 矯正治療で 歯が動くの?
歯の根は、顎の骨の中にしっかりと埋まっています。
骨にしっかりと支えられた歯が動くのって不思議だと思いませんか?
矯正治療でなぜ動かすことができるのでしょうか?
★骨吸収と骨形成
歯が動くことをご理解頂くには、骨吸収(こつきゅうしゅう)と骨形成(こつけいせい)という体の働きを説明する必要があります。
骨吸収とは破骨細胞(はこつさいぼう)という細胞によって古い骨が分解され壊されていくこと。
一方、
骨形成とは、骨芽細胞(こつがさいぼう)という細胞により、新しい骨が作られることです。
骨は絶えず骨吸収と骨形成を繰り返しており、人間の場合、約5年で全身の骨が入れ替わると言われています。
この働きを
「骨の代謝機能」(リモデリング)といいます。
矯正治療は、この「骨の代謝機能」をうまく利用し、自然の力で歯を動かすのです。
★こうして歯が動く!
歯の根は、
歯槽骨(しそうこつ)という骨に埋まっています。骨に埋まっている「歯根」は、
「歯根膜」という膜に覆われ骨とつながっています。歯列矯正は、歯にブラケットという器具を付けたり、アライナーというマウスピースをはめて、歯を動かしたい方向に力をかけます。こうすると、動かしたい方向の歯根膜と歯槽骨は圧迫され、その逆側の歯根膜は引っ張られるという現象が起きます。
圧迫される側は破骨細胞によって骨吸収されて隙間ができ、その隙間に歯が動きます。そして歯が離れる側は骨芽細胞によって骨形成されるのです。
こうして歯が動くスピードはとてもゆっくりで、1か月につき約0.5ミリ〜1ミリ程度。ですから矯正治療には時間が必要です。
★自然の力を利用しているから安心
矯正治療の原則は、整形手術のように外科的な処置で歯を動かすのではなく、あくまでも自分の体がもっている
「骨の代謝機能」(リモデリング)を利用するので、歯や体に大きな負担をかけずに歯を動かすことができるのです。また、矯正は成人になってからでは遅いと思われがちですが、このような自然な力を利用するので誰でも治療を受けることができます。
矯正をお考えの方は、ぜひ一度ご相談くださいね。